ULSSASとは?SNS時代のマーケティングモデルをメリット・事例とともに解説!

マーケティング

本シリーズでは、マーケティング担当になったら最低限知っておきたいフレームワークをピックアップして考え方をご紹介していきます。

第9弾は「ULSSAS」をピックアップします。

第1弾から順に読みたい方はこちらから▼
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第1弾:PEST分析
https://www.akebono-print.co.jp/2021/07/pest-analysis/

第2弾:3C分析
https://www.akebono-print.co.jp/2021/07/3c-analysis/

第3弾:5フォース分析
https://www.akebono-print.co.jp/2021/09/5force-analysis/

第4弾:SWOT分析
https://www.akebono-print.co.jp/2021/09/swot-analysis/

第5弾:AIDMA
https://www.akebono-print.co.jp/2021/10/aidma/

第6弾:AISAS
https://www.akebono-print.co.jp/2021/10/27/aisas/

第7弾:STP分析
https://www.akebono-print.co.jp/2021/11/16/stp-analysis/

第8弾:4P分析
https://www.akebono-print.co.jp/2021/11/18/4p-analysis/

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急速に生活に浸透したSNS。
個人も企業もSNSを活用することが当たり前となった近年は、「SNS時代」とも言われます。

「販促にSNSを活用したいけど、何から始めればいいのだろう?」
「SNSを使ったほうが良さそうとは思うけど、どんな効果やメリットがあるのかイメージできない…」

そんな悩みを持ったことはありませんか?

本記事では、SNS時代のマーケティングに有効な「ULSSAS(ウルサス)」というモデルについて、メリットや成功事例も含めて解説します。

ULSSAS(ウルサス)とは?

ULSSASとは、ソーシャルメディアマーケティング支援を行うホットリンク社が提唱した、SNS時代の新たな行動購買プロセスです。
消費者が商品・サービスを認知し、購入、拡散にいたるまでの一連の行動をモデル化しています。

ULSSASは、以下の6つのステップの頭文字をとって名付けられました。

  1. UGC
  2. Like
  3. Search 1
  4. Search 2
  5. Action
  6. Spread

ULSSAS(ウルサス)の6つのステップを解説

ULSSASの各ステップにおける顧客の心理や行動を、映画を例に解説します。

UGC:ユーザー投稿コンテンツ

「UGC」という言葉を初めて聞いた人も多いのではないでしょうか?
UGCとは「User Generated Contents」の略で、「ユーザーによる商品・サービスについての投稿」を意味します。

例えば、あなたの知人が映画を見に行った感想をツイートしたとします。そのツイートがUGCです。
Twitterに限らず、Instagram、Facebook、YouTubeなど、どの媒体でもUGCは発生しています。

そして、UGCはULSSASモデルの起点となる最も重要なステップなのです。
UGCが発生し始めると、ULSSASモデルは自然と循環し始め、「売れ続ける仕組み」ができてきます。

Like:いいね

知人が投稿した映画の感想ツイートを見て「面白そう」と思ったあなたは、そのツイートを「いいね」します。
UGCの内容や、いいねやコメントという自分自身の自発的な行動によって、映画を認知し、興味を持ち始めます。

SNS上では、いいねを多く集める投稿ほど多くの人の目に触れやすくなる仕組みになっています。
そのため、UGCはフォロワーの目に留まって終わりではなく、どんどん拡散されていくのが特徴です。

Search 1:SNS検索

今やSNSは、投稿を見るだけの場所から情報を検索する場所になりました。
10~50代の男女1000人に実施したある調査では、5割以上が「情報収集などでSNSの検索機能を使う」と回答しています。

知人の感想ツイートをきっかけにその映画が気になり始めたあなたは、そのままTwitter上で映画名で検索し、他の人の感想ツイートや公式アカウントを探し始めます。
映画を褒める多くのツイートを見て、「とても好評で話題の面白い映画なんだろうな。これは映画館に観に行ったほうがよさそうだ」と思うでしょう。

Search 2:Google/Yahoo!検索

映画を観に行こうと思ったあなたは、Twitterを閉じてGoogleのブラウザで検索をします。
どこでその映画が上映されているのかを調べたり、映画のあらすじや考察をまとめた記事を読んだりするでしょう。

Action:購買

Googleで検索した結果、あなたは「いくつか記事を読んでみたけどやっぱり面白そうだ。最寄りの映画館で上映されているみたいだし、週末に観に行こう」と考えます。
そして、映画館のHPから週末の映画チケットを予約します。

Spread:拡散

週末に映画を観に行ったあなたは、「評判通りとても良かった。〇〇のシーンでは感動して思わず涙が出てきた」といったように、感想をツイートします。

すると、あなたのツイートにいいねやコメントが届きます。フォロワーからだけでなく、拡散されることで全く知らない人からの反応もあるでしょう。
あなたがTwitterに投稿したUGCが、新しいULSSASの循環を生むのです。

ULSSAS(ウルサス)のメリット

続いて、ULSSASを活用するメリットを3つ解説します。

広告費を削減できる

認知、興味、検討、購買の順に顧客が絞られていく従来のマーケティングファネル(左)と、ULSSASのモデル(右)とは、何が違うのでしょうか?

まずは見て分かる通り、形が違います。
従来のマーケティングファネル(認知から購入までの流れ)は逆三角形です。
ファネルとは「ろうと・じょうご」を意味し、認知から購入に至るまでに人数が絞られる様子からこの名がつきました。

このモデルでは、広告費をかけるほど認知や購買を獲得できますが、言い換えれば、新たな購買を生むためには追加の広告費や施策が必要です。

一方で、ULSSASのモデルは循環する円形です。
顧客がSpread(拡散)したSNS投稿は、UGCとして新たな認知から購買、拡散までの循環を生み出します。
さらに、UGCは不特定多数に拡散されるため、自然発生的に新しいULSSASの循環がどんどん増えていきます。

また、従来のマーケティングファネルでは、認知の獲得に多くの広告費をかけることが前提です。
一方で、ULSSASモデルでは認知獲得の起点がユーザーによる投稿なので、そもそも広告費をかける必要がありません。

莫大な広告費をかけずとも、認知がどんどん拡大し売れ続ける仕組みができるのがULSSASの最大の特長です。

商品・サービスの質を上げられる

広告費を削減できると、どんないいことがあるでしょうか。
浮いた広告費を商品・サービスの質の向上や、新商品の開発に回すことができます。

そして顧客は、商品が想像以上に良いものであれば、自然と「SNSに投稿したい!」と考えます。
商品の開発・改善に注力することでより一層UGCが発生しやすくなり、ULSSASモデルを通して新しい売上に繋がるのです。

商品・サービスへの信頼性の向上

突然ですが、以下のどちらの状況の方がAさんを信用できますか?

①Aさんに、「私はとても口が固いので、安心してください」と言われた
②Bさんに、「Aさんは本当に口が固いから相談しやすいんだよね」と言われた

②の方がAさんへの信頼が高まるのではないでしょうか。

これは、企業の販促活動でも同じことです。
企業公式に「とてもいい商品だから買ってください!」と言われるよりも、身近な人に「あの商品、とても良かったからおすすめだよ!」と言われるほうが、買いたくなりますよね。

人は、家族、友人やインフルエンサーなど、「身近な個人」に伝えられた情報をより重視し、信頼します。
ということは、いいUGCが増えることによって、商品・サービスの信頼度も高まるのです。

ULSSAS(ウルサス)で成功した事例

2017年に公開されたインディーズ映画『カメラを止めるな!』の事例をご紹介します。

『カメラを止めるな!』は製作予算300万円、最初は2館のみで上映されたように、もともとは無名でした。
しかし、映画祭での受賞をきっかけに、UGCが急増します。SNS上での言及数は、同時期の有名なハリウッド映画の数倍とも言われています。
その結果、2018年には邦画興行収入ランキング7位という記録を残すほどの大ヒット映画となったのです。

「B級映画だと思って期待していなかったのに、観てみたらものすごく面白かった!」というように、期待と体験の大きなギャップがあったからこそ、観た人を強く惹きつけどんどん拡散されました。
また、「詳しくは言えないけど、とにかく観てほしい!」といった口コミから分かるように、内容までは観ないと分からないという映画ならではの特性も、成功の一因と言えます。

UGCが増えて拡散される商品づくり、仕組みづくりが大切です。

ULSSAS(ウルサス)を活用する際のポイントと注意点

実際に自社の商品・サービスにULSSASを活用する際のポイントを解説します。

商材はULSSASモデルに向いているか?

ULSSASには、向いている商材と向いていない商材があります。

例えば、ゴミ袋を買おうと思ったときに口コミなどを検索するでしょうか?
低価格で商品によって機能差が少ない商品は、SNS上に拡散されることも検索されることも考えづらいため、ULSSASには向いていません。

まずは自社の商品・サービスがULSSASに向いているのか確認しましょう。

UGCを増やし、拡散させるには?

SNS上でユーザーに投稿してもらい、それが拡散されていくためには、企業は何をすれば良いのでしょうか?
鍵は、「良質なフォロワー」と「シェアされやすい仕組み」の2つです。

良質なフォロワーを獲得し、育てよう

マーケティングの一環でSNSを運用するとき、フォロワー数だけをただなんとなく追いかけていませんか?
ULSSASにおいて、フォロワーは量よりも質が重要です。

例えば、「アカウントフォロー&いいねで〇〇が当たる」というようなプレゼントキャンペーンを実施すれば、当然フォロワーの数は増えます。
しかし、その増えたフォロワーは、今後商品を購入し、感想を拡散してくれるでしょうか?

プレゼントキャンペーンの投稿にしか反応しない1,000人のフォロワーよりも、新商品の投稿に反応し、購入し、感想を投稿してくれる10人のフォロワーの方が、実際の売上に繋がる価値のあるフォロワーと言えます。

やみくもにフォロワー数を増やすのではなく、自社商品・サービスに興味を持ち、共感してくれるフォロワーとの関係性を深めるようなアカウント運用を心がけましょう。

具体的には、質問やコメントにまめに返信して相互コミュニケーションをとることや、質のいいフォロワーにニーズがあるコンテンツに絞って発信することが大切です。

シェアされやすい仕組みを作ろう

より多くUGCを発生させるには、シェアされる仕組みを作ることが重要です。

例えば、購入者が写真を撮ってSNSに投稿したくなるようにパッケージを可愛くしたり、口コミ投稿や友達への紹介によって次回割引をしたり、さまざまな施策を考えられます。
『カメラを止めるな!』の事例のように、商品そのものの意外性やクオリティに注力するのも手段のひとつです。

「どういう体験をしたらSNSに投稿したくなるか?」と、顧客の目線になってシェアされる仕組みを考えてみましょう。

まとめ:SNSを活用して商品が売れ続ける仕組みを作ろう

ULSSASは、UGCさえしっかりと増やせれば自然と商品が売れ続けるモデルです。
SNSを使う顧客の立場になって自社の商品・サービスにULSSASモデルを活用することで、広告費を削減しつつ売上増加をねらいましょう。

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