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本シリーズでは、マーケティング担当になったら最低限知っておきたいフレームワークをピックアップし、実在する企業を題材にしてフレームワークの考え方をご紹介していきます。
第4弾は「SWOT分析」(スウォット分析)をピックアップします。
第1弾から順に読みたい方はこちらから▼
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第1弾:PEST分析
https://www.akebono-print.co.jp/2021/07/pest-analysis/
第2弾:3C分析
https://www.akebono-print.co.jp/2021/07/3c-analysis/
第3弾:5フォース分析
https://www.akebono-print.co.jp/2021/09/5force-analysis/
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今回取り上げるSWOT分析とは、
Strength(強み)
Weakness(弱み)
Opportunity(機会)
Threat(脅威)
の4つの要因を洗い出すフレームワークです。SWOT分析は自社の強み・弱みを客観的に洗い出すことができ、ビジネスの次なる成長の鍵を見つけられます。
企業の売上が伸び悩んでいるときこそSWOT分析を用いて、自社の強み・弱みを客観視して打開策を考えていくことをおすすめします。
SWOT分析を自社の事業戦略で用いる前に、本記事で取り上げる企業について一緒に考えてみましょう。
もくじ
SWOT分析とは
SWOT分析とは、内部環境の強み・弱み、そして外部環境の機会・脅威を軸にして事業や施策を分析するフレームワークのことです。
・内部環境:自社商品(サービス)の価格・品質、自社のブランド力や資産など
・外部環境:市場トレンドや法律、競合などの自社を取り巻く環境
それぞれの環境をプラス面とマイナス面に分けて分析をすることで、より具体的な戦略の策定や経営資源の最適化などに繋げられます。
SWOT分析のポイント
SWOT分析のメリット
SWOT分析のメリットは、内部環境のみならず外部環境にも目を向けることで、会社の内外全体の状況を客観的に捉えられることです。また、リスクとチャンスを一度に俯瞰できるため、広い視野を持って戦略立案に取り組めます。
SWOT分析の注意点
強みと弱みに区分する際、どちらにも当てはまる項目が出てくることもしばしばです。そういった場合でも、SWOT分析の中ではどちらかに分類しなければなりません。
強みと弱みどちらに強く作用するのかを考えながら分類してみるのをおすすめします。
幅広い視点でSWOTを考える
同じ企業の中でも経営層や営業、技術職、カスタマーサポートなど、様々なポジションのメンバーを集め、あらゆる観点で分析を行いましょう。
SWOT分析の進め方
SWOT分析は4つの項目からなりますが、なかでも外部環境にあたる「機会」と「脅威」の分析から行うのがおすすめです。なぜならば、内部環境が外部環境に左右されることも往々にしてあるからです。
外部環境の分析
市場トレンドや法律、競合などの自社を取り巻く環境の分析を行います。
市場規模
競合の状況
景気・経済状況
法律(法改正)
政治の状況
などの項目を洗い出していき、機会と脅威に分類していきましょう。
外部環境の分析を行う際は、以前紹介したPEST分析や5フォース分析などを併用するのも一つの手です。
内部環境の分析
続いて、内部環境の強みと弱みを分析していきます。内部環境を分析する際は主観的になってしまうこともありますが、数値やデータを用いながら客観的な分析につなげていきましょう。先に分析した外部環境をみながら、それらが自社に与える影響を分析していきます。
内部環境の分析でよく用いる項目は以下の通りです。
自社の商品(サービス)の価格・品質
ブランド力
立地
技術力
それぞれの項目ごとに強みと弱みに分類していきましょう。
クロスSWOT分析
内部環境と外部環境の分析が完了したら、実際の事業戦略立案に落とし込むためにクロスSWOT分析を進めます。図にあるとおりそれぞれをクロスさせて分析を進め、事業戦略の立案へつなげていきます。
機会×強み | 会社や事業の成長を目指す時にこの分析は欠かせません。チャンスを上手く活用するために、積極的に取り組んでいく施策を検討しましょう。 |
脅威×強み | 自社の強みを活かして、脅威による影響を避けながら、あわよくば機会として行かせる術はないかを検討しましょう 。 |
機会×弱み | チャンスが来ているものの自社にとって弱みがある場合。チャンスを逃さないためにはどうするか検討します。弱みを強みに変換できないかといったことを模索ながら、機会損失を生じさせないための施策を考えましょう。 |
脅威×弱み | 最も慎重に分析したい部分です。弱みと脅威が合わさることで生じる打撃を事前に予測し、脅威を回避もしくは影響をより小さくするにはどうしたらいいかを考えましょう。 |
実在の企業に当てはめて分析してみる
それでは実際に企業に当てはめて分析をしてみます。今回は丸亀製麺を取り上げます。
まずは図にまとめます。
<外部環境>
機会
海外で日本食文化広がってきています。丸亀製麺では海外初進出はハワイですが、日本の店舗も含めた丸亀製麺の全店舗の中で売上第1位と、海外でも丸亀製麺は親しまれていることがうかがえます。
また、新型ウイルスの影響により、以前に増してテイクアウトが主流になってきました。打ちたて茹でたてのうどんと熱々の天ぷらをご家庭や職場でも楽しめるため、機会とも捉えられるでしょう。
脅威
同時に、新型ウイルスの流行が外食機会の減少を招いているのも事実です。また、丸亀製麺のように早く安く食べられるファストフード店の増加は脅威になります。同じうどん屋のみならず、うどんを扱うファストフード店は国内にも数多くあり、脅威と捉えられます。
<内部環境>
強み
丸亀製麺が店舗で製麺していることは有名です。店舗で製麺しているため、打ち立て茹でたてのうどんが食べられるのは揺るぎない強みです。
「すぐに食べられる」ため、昼休憩が限られた時間しかないサラリーマンなどの働く人にとってありがたい存在です。
また、行く時々で季節商品があるのも魅力でしょう。飽きの来ない仕掛けといえます。
弱み
うどんのように単価が安い商品は、回転率と利益率の高さがビジネスを成功させるためには欠かせないといわれています。そんな中で打ちたてにこだわり、人員配置も増やしていることで、人件費は他社と比較して高く、利益率もやや低くなっています。
4項目を埋めたら、次はクロスSWOT分析を進めます。
機会×強み | 日本食文化が海外に受け入れられている「機会」と、丸亀製麺の安いのに美味しい打ちたてのうどんを食べられるという「強み」を活かして海外進出を広げていく 美味しいうどんを活かす×限られた外食機会のため「贅沢ランチ」をする時流に乗って、少し価格帯の高い姉妹ブランドを作る |
脅威×強み | うどんを提供するファストフード企業とあえてコラボをする →うどんを丸亀製麺のものに |
機会×弱み | 「思い」を一緒に売る:店内製麺で人員配置が多くなっていること・利益率が低いことを赤裸々に告白し、全て「お客様に美味しく食べてほしいから」という思いがあることをアピールした広告を打っていく |
脅威×弱み | 利益率の低さのカバー:元々焼き鳥屋から始まった強みを活かして、つまみとお酒をメインに提供しながら、シメにうどんを食べられる形態の店舗を増やす |
このようにまずは4項目をそれぞれ埋めてみて、それらを眺めながらクロスSWOT分析を進め、具体的な事業戦略へと落とし込んでいきましょう。
まとめ:事業の成長には客観的な視点での分析が欠かせない
会社の内外問わず包括的に分析するSWOT分析では、客観的な視点が欠かせません。その視点を持つことで、内部環境の強み・弱みを洗い出すことができ、次なる成長の鍵を見つけられます。
そして、内部環境は外部環境に大きく左右されるため、変化には敏感でいましょう。特に昨今は、新型ウイルスの流行に起因した外部環境の変化が激しくなっているため尚更です。
気になる企業をピックアップしてSWOT分析をしてみましょう。実際に自社のSWOT分析をする際は、他部署や様々な職種のスペシャリストたちを集めてブレインストーミングして進めていくのがおすすめです。
ぜひチャレンジしてみてください。
▼お問い合わせはこちらまで