【社長インタビュー】コミュニケーションカンパニーへの布石ができた

あけぼの印刷社 お知らせ

株式会社あけぼの印刷社は、1946年に創業した茨城県の印刷会社です。

創業当初より一貫しているのは、情報伝達業を通じてお客様の「伝えたい」を形にすること。DTPの黎明期には、県下でいち早くその技術を導入するなど、変化を恐れない先進的な姿勢は現在も脈々と受け継がれています。

近年は、柱となる印刷業に加えて、Webや看板、マーケティングなど多様な事業でお客様を支援できる「コミュニケーションカンパニー」を目指しています。

2022年の変革を振り返りながら、あけぼの印刷社が目指す2023年の展望について、山田社長に伺いました。

2022年の振り返り①「コミュニケーションカンパニーを作るための土壌ができた」

―あけぼの印刷社にとって、2022年はどのような年でしたか?

国内でウィズコロナの機運が高まっていく中で、あけぼの印刷社としても大きな転換を迎えた年でしたね。具体的には、販売構成が変わってきてコミュニケーションカンパニーを作るための土壌ができました。

印刷会社から情報伝達支援会社に変わってきた

今までは印刷業が中心でしたが、「Web広告運用代行」や「看板」などの販売商品を通じて、お客様に貢献できるようになりました。「情報伝達手段」となるそれぞれの商品を、お客様が本当に求めているニーズに合わせて提供できたという形です。

そもそも販売商品の構成を変えるに至った理由は、やはりお客様のニーズがあったことです。例えば小売店では、従来チラシに使っていた予算が、店内販促物やWeb広告など別の手段に使われるようになり、お客様の需要が増したという印象ですね。

また2022年は、屋内外の大型看板や壁紙などに印刷可能な「フラットベッドUVインクジェットプリンター」の増設、さらに副業人材・個人事業主向けのコワーキングスペースのS-inも実施しました。目的は、これまで足りなかったファンクションを補強するためです。

インクジェットプリンターを増設することで看板制作のファンクションを強化できたので、これまで以上に紙以外の印刷もご提案しやすくなりました。

一方、コワーキングスペースのS-inにより、動画制作やシステム開発に特化した人材とのコラボレーションが可能となったことも、ファンクションの強化に繋がっていますね。

2022年の振り返り②「意外なところに社員のモチベーションアップのきっかけが隠されていた」

―2022年、働く環境に関する変化はありましたか?

食堂の改修や本社の改装は、ターニングポイントの一つでしたね。社員のモチベーションアップのきっかけが、意外なところに隠れていたんだと気づきました。

食堂と本社の改装で社員のモチベーションに変化があった

これまで工場の食堂は簡素な作りでしたが、カフェスペースのような居心地の良い空間へ改修しました。もともと改修前は、駐車場に停めた自家用車で昼食を食べる従業員も多く、少し改善できたら良いなと感じていたんです。

ある時に「社員が一人の時間を持てるような場を作ってあげては」というアドバイスをもらいました。そのアドバイスにしたがって、現在のカフェスペースのような場に改修してみると、それまで数人しか利用していなかった食堂が、倍以上の10数人ほど利用してもらえるようになったんです。

社員の雰囲気が変わったことも感じました。環境を変えることで、人の雰囲気も変わることを改めて教えてもらいましたね。その他に、お菓子コーナーを設けたり、スマホの充電ケーブルを設置したりといった取り組みも行いました。

食堂の改修と併せて、水戸市白梅にある本社を改装したことも大きな変化でした。オフィスが新しいと社員も仕事がしやすくなるので、モチベーションがアップしていることに気づいたんです。今後も働きやすい環境を作ってコミュニケーション力を高め、販売商品をうまくコラボレーションさせていきたいですね。

座談会で「現場の声」を拾いやすくなった

―あけぼの印刷社では、定期的に座談会を開催していると伺いました。具体的にはどういった取り組みでしょうか?

年に2回、賞与を支給した後に、社員座談会を実施するようにしました。現場の部署ごとの従業員で1時間程度の話し合いの場を設けるようにしたんです。

実際に、現場の不満の声を聞く場を設けたことで、ポジティブな改善案も出してもらえるようになりました。あけぼの印刷社の歴史にもなかった取り組みなので、開催して非常に良かったと感じています。

特に印象に残っているのは、「私が作業している位置から時計が見えないんです」という意見を聞けたことです。その改善案を受けて、実際に時計を購入して設置しました。やはり現場目線での気付きを共有できる場を設けることは、働きやすい環境作りに重要だと思いましたね。

2023年は、「個々が奮闘する場」だけでなく、「部署間を飛び越えたコミュニケーションの場」も作っていきたいですね。

2023年は「組み合わせ力」で様々な価値提供をしたい

―コミュニケーションカンパニーの土壌作りとして、評価制度の変更や座談会を実施したということですが、それはなぜでしょうか?

印刷やWeb、看板、マーケティングなど各部門の従業員が専門性を発揮しないとコミュニケーションカンパニーは成り立ちません。そのため、全てのファンクションを最大限活用できるような体制を作りたいというのが理由です。

例えば、あけぼの印刷社の場合、看板事業がなくても、物流事業がなくてもコミュニケーションカンパニーは成立しません。専門性を持って働いてくれる従業員の皆さんがいるからこそ、あけぼの印刷社がはじめて成立するんだということを改めて認識してくれると嬉しいですね。

それぞれの仕事にプライドを持ちながらも、他の部署と協力し合い、一丸となって進んで欲しいです。

特に今は、従来の印刷業に加えて、Webなど幅広い事業を展開しています。もちろんプロフェッショナルとしての仕事を全うすることは大前提ですが、それぞれのファンクションは80%のパワーで良いというのが本音です。

20%の不足分を補うことよりも、80%同士のファンクションを組み合わせて「どうやって相乗効果を生み出すか、横の繋がりを持たせるか」ということに興味があります。

ちなみに、任天堂には「社長が訊く」というインタビュー形式のWebコンテンツがあるんですが、その中にWiiというゲーム機の開発裏話が掲載されています。

Wiiのコンセプトはいわゆる「枯れた技術の水平思考」に基づいたもので、真新しい技術を追求するのではなく、従来の技術を応用しながらいかに新しい価値を提供できるかという点が重要なんですよね。

あけぼの印刷社においても「Web×印刷」のように、現在設置している部門を活かしながら、垣根を越えたコラボレーションが柔軟にできる体制を目指しています。

例えば、4つの部門をそれぞれ100点にするよりも、80点の部門を4つ繋げたほうが革新的で、これまでにない価値をお客様に提供できると思います。

従来の印刷会社は、「短納期かつ低コストで、お客様にご満足いただける成果物を提供すること」が使命でした。

しかし、これからのあけぼの印刷社では「組み合わせ力」を強めて、お客様の事業課題を丁寧にヒアリングしながら、様々な価値提供をしていきたいですね。

まとめ

今回のインタビューで山田社長が一貫して話されていたのは、「印刷やWeb、看板、マーケティング、物流など、あけぼの印刷社に関わるどの仕事にも重要な役割がある。どれが欠けても、コミュニケーションカンパニーは成り立たない」という内容でした。

コミュニケーションカンパニーの土壌を作ったという2022年。その根底にあるのは、従業員への厚い信頼と敬意、そして大いなる期待ではないでしょうか。

さらなる飛躍を遂げる2023年のあけぼの印刷社に、ぜひご注目ください。


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