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家庭用プリンターが普及している現代。「デジタル印刷」は私たちの暮らしの中で最も身近な印刷方法となっています。
なかでも、デジタル印刷の関連用語として耳にする「バリアブル印刷」は、その応用性の高さから、社会のあらゆる場面で利用される印刷方法です。
では、「バリアブル印刷」とは、一体どんな仕組みであり、どんな印刷物に適しているのでしょうか。
本記事では「バリアブル印刷」について、印刷の仕組みや流れ、メリット、オンデマンド印刷との違いなどをご紹介します。
もくじ
バリアブル(可変)印刷とは?
バリアブル(variable)には「可変的な」「不定の」といった意味があります。
Excelなどで作成したデータベースに基づいて、印刷物の内容を一つ一つ変化させる印刷方式のことです。また、「可変印刷」とも呼ばれています。
バリアブル印刷は、企業だけでなく、ご家庭にとっても身近なデジタル印刷の一つです。昨今では便利なソフトやアプリケーションが増えています。年賀状や冠婚葬祭の際に、ご自宅のプリンターでハガキに宛名印字を行った経験のある方も多いのではないでしょうか。その仕組みが「バリアブル印刷」です。
バリアブル印刷とオンデマンド印刷の関係性
どちらもデジタル印刷に関連するものですが、この二つには明確な違いがあります。
それは、バリアブル印刷は印刷方式の名称であるのに対し、オンデマンド印刷は、製品の注文(受注)から納品までの製造体制の名称であるということです。
オンデマンド(on demand)には「要求に応じて」「要求があり次第」と言う意味があります。別名「注文印刷」とも呼ばれ、必要な数量を、注文があり次第迅速に印刷・納品することを指します。
また、大量に印刷することがほぼ前提であるバリアブル印刷と比べると、オンデマンド印刷は少部数向きとも言われています。
バリアブル印刷の仕組みと流れ
仕組みと流れ
バリアブル印刷では、主に以下の2つのデータを必要とします。
・テンプレート(共通のデザイン)
・可変情報をまとめたデータベース
バリアブル印刷用のデータを作成するソフトでこれらのデータを組み合わせると、ソフトが自動でデータベースの内容(可変情報)をテンプレートに流し込んでいきます。その後PDF形式で印刷用のデータが作成されます(複数の処理を一つにまとめたものを「トランザクション」といいます)。
この時、印字される箇所やデータベースの項目を複数設定することで、よりパーソナライズされた印刷物を作成することが可能となります。
最後に、作成されたデータに不備がないかを確認し、プリンターにデータを送れば、印刷物の完成です。
テンプレート上の定められた範囲に可変情報が流し込まれています。
効率的な生産の流れ〜オフセット印刷との組み合わせ〜
バリアブル印刷は「デジタル印刷」で行われますが、台紙のみを「オフセット印刷」で行う方法もあります。
オフセット印刷は、同じ内容のものを大量に印刷することに長けています。なので、内容は同じで宛名だけが可変情報になる場合(DMなど)は、あらかじめオフセット印刷で台紙を大量に印刷し、あとから可変情報が入る部分だけをデジタル印刷で刷り込むことで、効率良く印刷物を作成することができます。
バリアブル印刷の商品例と活用法
一つ一つ内容の違う印刷物を作れるという強みには、様々な活用法があります。
では、どのような製品に適しているのでしょうか?その商品例をいくつかご紹介します。
DM(ダイレクトメール)
主に宛名印字のためにバリアブル印刷が用いられます。
DMは、多くの企業が自社製品の宣伝やサービスのお知らせなどをするために用いる手段の一つです。
また宛名の他にも、名前を入れた挨拶文や、顧客の嗜好に合わせた商品紹介、専用クーポンなど、個々の顧客に合わせて内容を変えることが可能であり、企業が顧客を大切にしている印象や、特別感を提供することに繋がります。
商品券・抽選券などのチケット類
ナンバーリングやシリアルコードなどにバリアブル印刷が用いられます。
001〜100など、連番で数字をつけることで枚数の管理ができるほか、同じ番号のものが何度も使われるような不正利用の防止、チケットの偽造防止の効果があります。
POP
商品名や価格、売り出し期間などにバリアブル印刷が用いられます。
スーパーマーケットやホームセンターなど、数多くの品を揃え毎日多くの人が買い物をするお店では、その日、その週、季節ごとに売り出す商品が変わっていきます。広告チラシでも宣伝するのはもちろんですが、店頭や店舗内でも目玉商品をお客様に伝えるのは大切なことです。
売り出したい商品が多ければ多いほど、日付や価格、産地やメーカーも多種多様になります。バリアブル印刷用のソフトを利用してデータを作れば、簡単にたくさんのPOPを作成でき、いつでもお客様に目玉商品をお知らせすることができます。
名刺など
個人の名前や所属部署名はもちろん、顔写真などにもバリアブル印刷は用いられています。
名前に顔写真や似顔絵が伴えば、渡した相手の記憶に残りやすくなり、強い印象を与えることができます。また名前は同じでも、背面デザインや裏面を変えることも可能です。
バリアブル印刷では文字データだけでなく、画像データも可変情報として印刷することができることが特徴です。例として名刺を挙げましたが、その用途は名刺に限りません。
その他
チラシや封筒、ラベルシールなど、用途は様々です。
また、上記で挙げた宛名印字、ナンバーリング、画像印刷のほか、バーコードやQRコードなどの印刷も可能です。
例えば、配布エリアや、新規・既存顧客情報などの特定の属性ごとに分けたQRコードをチラシ・DMに掲載し、各区分ごとの反響の差の分析をすることで、次回の販促に活かすための情報が得られます。
このように、バリアブル印刷は販促の用途以外にも、マーケティングのための手段としても利用することができます。
バリアブル印刷のメリット・デメリット
バリアブル印刷のメリット
宛名印字の手間が省ける
大量の顧客データを一つ一つコピーペーストして印刷データを作成するのは大変な手間です。その点、バリアブル印刷はソフトさえあればものの数分で必要な分のデータを作成できます。
可変情報をまとめたデータベースを作る必要がありますが、その手間も最初だけで済むので、今後の作業の効率化に繋がるでしょう。
パーソナライズ化が簡単
宛名やメッセージ、番号やバーコードなど、変えたい要素が多くなるほど手間はかかりますが、それらをトランザクションによって簡単にパーソナライズ化できてしまうのがバリアブル印刷の強みです。
コンテンツの幅が広がる
上記の商品例で説明した通り、バリアブル印刷では文字データのほかにも様々なデータを印刷することができます。その組み合わせのアイデア次第でコンテンツの幅が広がるのも魅力です。
バリアブル印刷のデメリット
印字内容によってはレイアウトが崩れてしまう
バリアブル印刷のソフトが行ってくれるのは、文字のレイアウトではなく、決められた範囲に可変情報を流し込む作業だけです。
そのため、決められた範囲以上の文字量が流し込まれた場合、文字が入りきらなかったり、異常に細長くなってしまったりすることがあります。
特に、住所や社名は長くなってしまう可能性があるので、それらを考慮して可変情報が入る範囲を設定する必要があります。
バリアブル印刷は当社にお任せください
パーソナライズ化という最大の特徴を持つバリアブル印刷を用いれば、多くの人に見てもらうことや、個々のニーズに合わせた内容の印刷物を作成することができます。つまり、バリアブル印刷は、販促やマーケティングと相性が良い印刷方法と言えます。
ですが、データベースとテンプレートは用意できても、バリアブル印刷用のデータを自分で作成しようとするとなかなか手間がかかります。効率化することも考えて、データの作成・印刷はプロにお任せしてしまうのがおすすめです。
弊社ではデジタル印刷用プリンターを6台(フルカラー5台、モノクロ1台)保有しています。POPやDMを始めとしたデジタル印刷物の作成だけでなく、小ロット、短納期、自動ジョイントなど、様々なニーズに対応し、製品をお届けしてきた実績があります。
デジタル印刷、バリアブル印刷に興味がある、印刷物の発注を検討されている方は、創業70年の実績をもつ当社にお任せください。
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