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近年、サービスの認知拡大やブランディングのため、Twitterの公式アカウントを運用する企業が増えています。アライドアーキテクツ株式会社が2021年2月に実施した調査によれば、2019年から2020年にかけてTwitter施策の予算を増やした企業は62.7%に上ります。
調査対象の40%を超える企業が、生活者との接点拡大や商品・サービス・ブランドの認知拡大のため、Twitterアカウントの運用やキャンペーンの企画を行っているようです。
参考:アライドアーキテクツ、「企業のTwitter活用実態調査 2021」を実施|PRTIMES
このように、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、従来の集客・販促方法からの変革を迫られる企業が多い中、新たなマーケティング手法を取り入れる動きが業界・業種を問わず散見されます。
顧客や見込み顧客と直接繋がれる点や、その拡散性の高さがTwitterの魅力。
そのため、新たにTwitterのアカウントを開設したり、キャンペーンを企画したりする企業が増えるのも頷けます。
一方でフォロワー数を増やす方法や、キャンペーンの実施手順について知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、弊社で実施したTwitterキャンペーンの成果や、運営にあたって行ったこと、などを全て公開します。
これからキャンペーンを企画しようとしている方は、参考にしてみてください。
なお、企業公式Twitterアカウントでフォロワーを増やす方法については、以下の記事で紹介しておりますので、こちらも併せてご覧ください。
もくじ
あけぼの印刷社のTwitterキャンペーンとは
キャンペーン概要
株式会社あけぼの印刷社では、2021年2月18日 ~ 3月3日の2週間にわたって、Twitter上でフォロー&リツイートキャンペーンを実施しました。その名も「オリジナル等身大パネル作っちゃうぞキャンペーン」。
公式Twitterをフォローし、制作したいパネルのモチーフ(何を印刷するか)と用途(何に利用するか)を記載の上、キャンペーン投稿をリツイートしていただき、その中から抽選で10名様にオリジナルパネルを制作する権利をプレゼントする、という内容です。
▼あけぼの印刷社「オリジナル等身大パネル作っちゃうぞキャンペーン」を実施
https://www.akebono-print.co.jp/2021/02/panel-present-campaign/
周知方法
キャンペーンを知っていただくため、次のような取り組みを行いました。
・Twitterでの告知/定期的な関連ツイート
・Twitter広告(予算:7万円)
・プレスリリース(予算:3万円)*PRTIMESでの掲載
コストとしては、広告費10万円と、制作したパネルの制作・郵送に掛かった費用(約5万円)で、総計15万円程度になります。
Twitterキャンペーンの成果
キャンペーンを実施した結果、得られたものは次の通りです。
<キャンペーンに関わるもの>
・応募数:118
・フォロワー数:+314名
・リツイート数:210件
・インプレッション数:190,271
・エンゲージメント総数:17,578
<副次的な効果>
・問い合わせ(看板・パネル):5件(うち受注2件/売上22万円)
・事例掲載:法人3社分
・Webメディア掲載:27媒体
応募数は118と、一般的なフォロー&リツイートキャンペーンに比べると少ないと思われるかもしれません。実際、500名の応募を見込んでいたため、目標に対しては未達という結果でした。
「制作したいパネルのモチーフ(何を印刷するか)と用途(何に利用するか)」を記載するという条件を設けていたため、参加のハードルが高かったのだと考えています。
一方、キャンペーンを見て弊社でパネルの制作ができることを知り、問い合わせしてくださるお客様も5名いらっしゃいました。売上としては22万円で、キャンペーンに使った予算に対して黒字となりました。
また、パネル制作の実績をホームページに掲載する事例許可を3社の企業様に頂けたほか、ビジネスに繋がるお話も頂戴できたので、総合的に見ると今回のキャンペーンは成功であったと社内で評価いただきました。
キャンペーン実施の流れ
今回、以下の手順でキャンペーンを実施しました。
- 企画書作成
- クリエイティブ作成
- 配信設定
- アカウント・広告運用
- 抽選・当選者連絡
- プレゼント送付・確認
- 分析・振り返り→報告
順を追って説明していきましょう。
1. 企画書作成
最初に行ったのは企画書作成です。何を、どのように実施するのかを資料にまとめました。社長や部長など社内の関係者に要点を伝えるための数枚程度のドキュメントです。
意思決定を行う方々がどのような点を気にするのかを考えて、目的や予算、目標(期待値)、実行スケジュールや告知方法など、必要と思われる要素を簡潔に整理します。
特にキャンペーンの目的は明確にしておきましょう。弊社では「紙の印刷会社」という従来のイメージから脱却し、「パネルを含む販促物の制作もできる印刷会社」であることを知ってもらう、というブランディングを目的と定めました。
フォロー&リツイートキャンペーンは認知拡大を狙うものであり、問い合わせ・商品購入などの直接的な成果には繋がらないことをあらかじめ伝えておきます。
この意思決定者の期待値のコントロールが、施策を行う際のポイントです。
場合によっては、企画しているキャンペーンの他社事例などを引き合いに出し、実施のイメージや想定される結果を分かりやすく伝えるのも良いでしょう。
実施にあたってのリスクと対応策も記載しておくと、企画に説得力が出ます。
2. クリエイティブ作成
次にキャンペーンページや、キャンペーン投稿に設定するバナー画像などのクリエイティブを準備します。今回の企画は、一般的なフォロー&リツイートキャンペーンに比べて複雑で、著作権や公序良俗の面から規約を充実させる必要があったため、特設ページを用意しました。
アカウントをフォローして投稿をリツイートするだけのキャンペーンであれば、そうしたページは不要で、バナー画像を用意するだけで良いでしょう。
キャンペーンの投稿文や、特設ページに掲載する(プレスリリース)文章などもこの段階で大枠を作ってしまいます。
先ほどの企画書を見せながら説明することで、クリエイティブの要件をデザイナーさんにスムーズに伝えられます。今回のキャンペーンでは、等身大パネルのモチーフと用途を添えてもらう必要があったので、どんな利用シーンが考えられるのか、キャラクターチックなイラストで分かりやすく表現してもらいました。
3. 配信設定
続いてTwitterの投稿・広告や、プレスリリースの配信設定を行います。
Twitter広告の管理画面から、キャンペーン用の投稿を作成しました。配信予約の設定や、広告に使う投稿として設定することもできます。Twitter広告の掲載の仕方や配信のテクニックについては別途解説します。
併せてプレスリリース配信プラットフォームの「PRTIMES」にも、執筆した原稿を設定しました。PRTIMESでリリースを配信すると、新聞や雑誌などの媒体、Webメディアなどに掲載してもらえる可能性が高くなります。
キャンペーンの投稿を行った2021年2月18日12時00分、Twitter広告とプレスリリースも同時に公開しました。
4. アカウント・広告運用
キャンペーン投稿をしたら終わり、ではありません。時間が経てば経つほど投稿の露出は減ってしまうため、「現在キャンペーン実施中ですよ」という旨をフォロワーの皆さんに伝える必要があります。
高頻度で投稿をされるのは鬱陶しいと思い、3日に1回くらいの頻度でキャンペーンのお知らせをツイートしました。
キャンペーン開始と、終了間近のタイミングでエンゲージメント(「いいね」や「リツイート」)が増えていたので、その期間は投稿頻度を上げても良いと思われます。
Twitter広告も、どのような属性の人が反応しているかを定期的に確認し、類似したセグメントにも広告ツイートが露出されるよう、配信の調整を行いました。
5. 抽選・当選者連絡
キャンペーンに応募頂いた方のリストアップを行います。
アカウント名、Twitter ID、フォローの有無、応募日、モチーフ、用途、キャンペーン規約を満たしているか、といった項目を入力し、抽選対象者をリスト化。
それらのリストに任意の番号を割り振り、Excel(Googleスプレッドシート)の「RANDBETWEEN」関数を使い、抽選を行います。これは範囲を指定し、その範囲の中からランダムに数字を表示する関数です。
当選者が決まったら、あらかじめ用意していた当選発表の文章をTwitterのダイレクトメッセージで送付します。返信が無い場合の対応も記載しておくと良いでしょう。
今回のキャンペーンでは、当選者の希望に合わせたオリジナルパネルを制作するという主旨でしたので、ご希望を叶えるため、サイズや縁取りの仕方を丁寧に確認し、制作した場合のイメージをillustratorで作成し、認識に齟齬がないことを確認しながら進めました。
6. プレゼント送付・確認
パネルの制作が完了したら、ご指定いただいた宛名・住所に郵送します。せっかくのご縁ですので、送付状と一緒に弊社のサービスカタログを同梱しました。
きちんと郵送されたかを運営側で確認するため、キャンペーンが当初の宣言通り履行されたことを他の応募者の皆さんに周知するため、届いたプレゼント(パネル)の写真をハッシュタグ付きで投稿して頂きました。
また当選発表ページを設けることで、パネル制作の実績をアピールすることができます。
▼「オリジナル等身大パネル作っちゃうぞキャンペーン」当選発表
https://www.akebono-print.co.jp/2021/04/panel-present-campaign-result/
7. 分析・振り返り→報告
最後に振り返りを行います。企画書に記載していた目標に対しての実績や、副次的に得られた結果、良かった点・
悪かった点などをまとめます。
企画書同様、社長や部長などの意思決定者が知りたい情報を中心に整理します。キャンペーンのコストパフォーマンスや当選者の声(反響)など、定量・定性両面について報告すると良いでしょう。
また日別や曜日別のフォロワー数・エンゲージメント数の推移や、年齢・性別ごとの反応の違いなど、示唆を得られる分析結果があれば併せて共有します。
これらの内容を踏まえて、次回同じような施策をやるのか・やらないのか、違った施策であればどのように行うのかを判断しましょう。
まとめ:Twitterキャンペーンは企画・準備が肝心
今回はあけぼの印刷社で行った施策をもとに、Twitterキャンペーンの実施手順を紹介しました。
キャンペーンを実施するにあたっては社内の理解と協力が不可欠であり、そのためには企画段階で目的や期待値が共有されている必要があります。
またTwitterキャンペーンにおいては「炎上」リスクも考えられますので、起こりうる事態を様々な角度から想定し、規約に盛り込むようにしましょう。
本記事でご紹介した手順を参考に、キャンペーン施策に挑戦していただけましたら幸いです。なお、あけぼの印刷社では、Twitterに限らず、集客・マーケティングの支援も行っております。お力になれることがございましたら、お気軽にお声がけください。