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消費者は様々なWeb上のプラットフォームを介して、情報を手に入れられるようになりました。
なかでもめざましい成長を見せているのが「YouTube」です。
YouTubeは、2020年6月に18〜64歳向けに実施した「なくなったら最も寂しいプラットフォームは?」というアンケートで1位を獲得しています。
また2020年12月にはYouTubeの月間アクティブユーザー数は約6,500万人以上※と発表され、一大動画プラットフォームとなっていることは明らかです。
※参照元:月間 6,500 万ユーザーを超えた YouTube、2020 年の国内利用実態──テレビでの利用も 2 倍に
本記事ではそんな媒体に広告を配信できるYouTube広告について、
・YouTube広告がどのような位置づけなのか
・どんな特長があるのか
・自分のビジネスの告知に使えるのか
などを知りたい方向けに要点をまとめました。
読み終わった頃には「YouTube広告とは何か?」の概要を理解し、自分のビジネスへの活用イメージに繋がっていれば幸いです。
もくじ
広告の特長
はじめにYouTube広告の特長をご紹介します。
視覚と聴覚で訴求できる
例えばGoogle・Yahoo!の検索結果に表示されるリスティング広告の場合、タイトルコピーと説明文といったテキストのの「視覚情報」のみで訴求します。
一方YouTube広告は“動画”で構成されるため、「視覚と聴覚」の2軸で訴求ができるのです。
Googleのデータを用いてターゲティングできる
2つ目の特長はGoogleのデータを用いてターゲティングできる点で、YouTubeがGoogleの傘下だからこその強みといえます。
YouTubeには大きく分けて「オーディエンスターゲティング」と「コンテンツターゲティング」の2種類のターゲティング設定があります。
続いてこの2種の違いをご紹介します。
オーディエンスターゲティング
「人」で絞り込む機能が「オーディエンスターゲティング」です。
設定できる項目をまとめてみました。
ユーザー属性グループ | 年齢や性別、子どもの有無、世帯収入 |
---|---|
詳しいユーザー属性 | 大学生や住宅所有者、最近子供が生まれたユーザーなど |
興味 / 関心 | トピックに関心があるユーザー |
動画リマーケティング | 動画やTrueView 広告、YouTube チャンネルの 操作履歴に基づいてリーチ |
ウェブサイトおよび アプリリマーケティング | 広告主のウェブサイトまたはモバイルアプリに 接触したことがある顕在層向け |
カスタマー マッチ | YouTubeとGoogle動画パートナーの利用履歴を使用 |
類似ユーザー | 自社データのリスト(リマーケティング リスト※1または カスタマー マッチ リスト※2)に基づくターゲティング |
※1 広告主の動画やチャンネルを過去に視聴したことがあるユーザーのみのリストデータ
※2 メールアドレスや電話番号といった広告主が所有する顧客のリストデータ
コンテンツターゲティング
続いて、広告を表示する「場所」を指定できる機能が「コンテンツターゲティング」です。
こちらも設定できる項目をまとめました。
プレースメント | チャンネルや動画はもちろん、ウェブサイトやサイト内のプレースメント※1を指定可能 ex)トラフィックの多いブログを指定 |
---|---|
トピック | YouTube と Google ディスプレイ ネットワーク上の特定のトピックを動画広告のターゲットに指定可能 ex)「自動車」トピックの場合:自動車関連の動画を視聴しているユーザーに広告を表示 |
キーワード | 指定したキーワードに基づいてユーザーが関心を持ちそうなサイトに動画広告を表示できる |
デバイス | パソコン・スマートフォンやテレビ画面を使用するデバイスなど、使用するユーザーを ターゲットに指定可能 |
※1 チャンネルや動画の中で広告を掲載する“場所”のこと
他の広告に比べ表示単価が安い
最後の特長は「表示単価が安いこと」です。
表示単価が安いと他のWeb広告に同額の予算を投入するよりも多くのユーザーに広告を見てもらえるという利点があります。
表示単価が安い理由は大きく以下の2点が挙げられます。
1.YouTubeには月間約6,500万人以上のアクティブユーザーがいるため
2.課金が発生する条件が限られるため
→ユーザーが広告を自発的に視聴したときにだけ課金が発生する仕組み
上記の理由からYouTube広告は表示単価も比較的安く、認知拡大の施策にうってつけです。
YouTubeの利用者属性
YouTubeではどんな属性のユーザーが動画を視聴しているのでしょうか。
2018年2月にマーケティングリサーチキャンプが「今月動画広告を見かけた」と答えた10~60代に実施した調査※によると、全体の約74.5%が「今月“YouTube”で動画広告を見た」と回答しています。
とりわけ10代は83.3%、調査対象の中で最も高齢層の60代でも73%と高い数値が出ています。
一方今回比較対象としたInstagramやTwitterなどのSNSでは、年齢が高くなるにつれて数値がガクッと下がっているのが特長的です。
SNSと比較をしても、YouTubeはより幅広い年齢層に利用されていることが数値からも見て取れます。
広告フォーマット
YouTube広告で使う広告フォーマットには大きく4種類あります。広告の目的に応じて最適なフォーマットを選択しましょう。
4つの広告フォーマットを詳しく紹介していきます。
インストリーム広告
インストリーム動画とは、YouTube動画を再生する冒頭や途中に流れる動画のことを指します。
5秒経過すると広告をスキップできるのが特長です。5秒経過の時点でスキップされた場合は課金されず、30秒以上の視聴でようやく課金がされる仕組みとなっています。
「続きが見たい」と思ったユーザーが30秒間見て初めて課金がされる仕組みのため、より効率的に広告費用を投じられる強みがあります。
詳しくメリット・デメリットについてみていきましょう。
<メリット>
・最初の5秒は確実に広告を見てもらえる
皆平等に冒頭の5秒間は広告を見ます。5秒以内にギュッと訴求したいことを詰め込められれば、無課金でもブランドや商品の認知拡大を図れます。
・訴求できる層が広い
利用している年齢層も幅広いため、様々な年齢層への認知拡大にも貢献してくれます。
・効果を最大化させるような最適化配信も可能
表示回数・視聴回数・コンバージョン数それぞれの最適化配信ができます。
・ユーザー属性や興味関心を用いた詳細なターゲティングが可能
<デメリット>
・5秒間で魅力を伝えるにはかなりの制作スキルが必要
最初の5秒間で「続きが見たい」と興味を持ってもらえる動画を作るには、アイデアが肝になることやそれ相応の制作スキルも必要になります。
・ネガティブなイメージを植え付けかねない
ユーザーが見たい動画の冒頭を妨げることになるため、ネガティブイメージを持たれる可能性も否定できません。
以上のようにデメリットももちろんありますが、それ以上にメリットの方が多いため、インストリーム広告はYouTubeの広告フォーマットの王道として利用されています。
バンパー広告
バンパー広告とは、YouTube動画の再生前後や再生中に流れる動画のことを指します。
6秒で終了してスキップができないところが特長です。
バンパー広告は、広告の再生と同時に課金される「インプレッション課金」が採用されています。
6秒間の最初から終わりまで視聴してもらえるため、商品やブランド・サービスの認知拡大に向いています。
TrueViewディスカバリー広告
YouTubeの関連動画や検索結果の横(一部スマートフォンでは下の場合あり)、YouTubeモバイルアプリではトップページに表示されるのがTrueViewディスカバリー広告です。
主にYouTubeチャンネル登録数の増加やサービス・商品の購買促進を目的として使用されます。
この広告は視聴時間に関わらずクリックして視聴される度に課金される仕組みです。
アウトストリーム広告
アウトストリーム広告は、スマートフォン・タブレット専用の広告です。
これまでご紹介してきた他の広告フォーマットとの大きな違いは、YouTubeの外のアプリ・Webサイトで表示されるという点です。
YouTube利用者以外にも広く訴求でき、サービス・商品やブランドの認知拡大を目的に使用されます。
アウトストリーム広告は、動画広告の面積の50%以上が2秒以上視聴された場合に課金が発生する仕組みです。
目的と課金形式
目的
YouTube広告を実施する目的とそれぞれに合った広告フォーマットをご紹介します。
販売促進
広告実施の目的が販売促進の場合は、主に「顕在層向け」になるためTrueViewディスカバリー広告がおすすめです。
TrueViewディスカバリー広告は
・YouTubeの中で“どの動画を見るのかを探している段階”で表示される
・ユーザーが興味をもちクリックをしないと広告を閲覧できない
という特長があるため、ページへの遷移率は高い傾向にあります。
チャンネル登録数
YouTube広告でチャンネル登録数を増やしたい場合はディスカバリー広告がおすすめです。
ディスカバリー広告は”サムネイルと見出し”がワンセットになった広告で、ユーザーがクリックして初めて課金がされる仕組み。
そのため、“サムネイルと見出し”を見て興味を持ったユーザーのみにアプローチできるのです。
ユーザーは「興味」を持ったときにチャンネル登録をするので、ユーザーが能動的に必要な情報を取りに行く“プル型”のディスカバリー広告が有効だと言えるでしょう。
見込み顧客の獲得
見込み顧客の獲得におすすめなのがインストリーム広告です。
インストリーム広告の冒頭5秒は必ず視聴されるため、その先は興味を持ったユーザーだけが見ることになります。
①5秒で広告をスキップするユーザー
②最後まで広告視聴をするユーザー
③広告視聴後に誘導したURLへ遷移するユーザー
①<②<③の順に見込み顧客になる度合いが上がっていきます。
ユーザーが30秒以上広告を視聴した場合にのみ課金されるため、より的を絞って広告予算を使えるでしょう。
Webサイトのトラフィック
Webサイトのトラフィックを増やしたい場合は、適切なユーザーがサイトにアクセスするよう促しましょう。
「スキップ可能なインストリーム広告」を活用し、広告から商品詳細ページ(ウェブサイト)への遷移を促すフレーズを動画に盛り込むのがおすすめです。
このように、目的や段階に応じておすすめの広告フォーマットは変化しますが、戦略的にYouTube広告を使用することで潜在層から顕在層へ育成する「ナーチャリング」にも繋げられるでしょう。
課金形式
Web広告において一般的な課金形式の
・CPC
・CPM
・CPV
についてご紹介します。
CPC
CPC=Cost Per Clickの略(日本語では“クリック単価”と訳されます)
Web広告において、ユーザーが広告を1クリックするごとにいくらかかったのかの費用指標です。
<計算式>
CPC=広告費用÷クリック数
例)30万円の広告費をかけて1,000回のクリックを得たら、CPCは300円となります。
CPCを用いる代表的な広告として、リスティング広告(検索連動型広告)が挙げられます。
また、一般的には競合が多ければ多いほどCPCは高くなる傾向にあります。
CPM
CPM=Cost Per Milleの略(日本語では“1,000回あたりのコスト”と訳されます)
広告が1,000回表示されるのに必要な広告費のことで、Milleはラテン語で1,000を意味する「mille」からきています。
<計算式>
CPM=広告費用÷表示回数×1000
例)30万円の広告費をかけて表示回数が1000万回だった場合、CPMは30円となります。
CPM課金においては、表示回数が増えれば増えるほど広告費が下がっていきます。
CPMを用いる代表的なWeb広告には、DSP(Demand-Side Platformの略)広告やSNS広告が挙げられます。
※DSP広告:広告主側の広告効果を最適化・最大化するためのプラットフォームと連携して行う広告のこと
CPV
CPV=Cost Per Viewの略(日本語では”広告視聴1回あたりのコスト”と訳されます)
リスティング広告やディスプレイ広告では、前出のCPCやCPMを使用しますが、動画広告では「視聴」に重きを置いたCPVの課金形態が多いです。
CPVの定義は媒体ごとに異なり、
・媒体Aでは最後まで視聴した場合のみに課金
・媒体Bでは再生時間に応じて課金価格が異なる
・媒体Cでは一定時間視聴したら課金
など、それぞれに定義されています。
再生回数のカウント方法は上記のように媒体ごとに変化しますが、CPVの計算式は以下のとおりです。
CPV=広告費用÷再生回数
例)30万円の広告費をかけて再生回数が20,000回だった場合、CPVは15円となります。
他のWeb広告との違い
現在YouTube広告をはじめとし、Web広告のバリエーションは多岐に渡ります。
YouTube広告と他広告との違いを知って、自分のビジネスではどの広告を使うべきかの参考にしていただければと思います。
リスティング広告
リスティング広告とは、検索エンジン上でユーザーが検索したキーワードを元に表示される広告のことです。
YouTube広告との大きな違いは、
・“テキスト”で訴求する広告
・広告の掲載場所が“検索結果画面”
・(YouTube広告と比較して)伝えられる情報量が少ない
・評価指標はCPCやCPMを使用する
・目的が“顕在層への訴求”(YouTube広告の目的は主に“認知拡大”)
という点が挙げられます。
リスティング広告の目的は「顕在層への訴求」のため、YouTube広告とは使用する動機が異なります。
広告を実施する際は、それぞれの広告の得意な部分を活かせるように取捨選択をしていきましょう。
▼リスティング広告についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています
【初心者必見】リスティング広告とは?特徴と仕組みの基本まとめ
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの広告枠に表示されるテキストやバナー形式の広告のことです。
広義では、ディスプレイ広告の中にYouTube広告を含むこともあります。
YouTube広告との大きな違いは、“各媒体の提携サイト”に広告が掲載される点が挙げられます。
一方で共通点は
・画像や動画を用いて訴求できる点
・リターゲティングできる点
が挙げられます。
Facebook広告
Facebook広告とはSNSのFacebook内で表示される広告のことで、ユーザー数やターゲティングの精度の高さから多くの企業で導入されています。
YouTube広告との大きな違いは、
・広告の掲載場所がFacebook上であること
・Facebook内に自社ページを所有している場合にファンとコミュニケーションを取りやすい
・広告の種類が豊富(12種類 *2021年3月時点)
という点が挙げられます。
Instagram広告
Instagram広告とはSNSのInstagram内で表示される広告のことで、ユーザー数やターゲティングの精度の高さから幅広い企業に支持されています。
YouTube広告との大きな違いは、
・課金形態はCPMが主流
・主に30代以下がターゲット
・動画や画像の推奨サイズが異なる
という点が挙げられます。
Facebook広告やInstagram広告などのSNS広告は、精度の高いターゲティングができるメリットがある一方で、継続して同じターゲットに同じ広告を表示してしまうデメリットも。
広告内容に変更を加えない限り、ユーザーが同じ広告を何度も見ることになり効果は悪化していくため要注意です。
そのために定期的にクリエイティブを変更するなど、より小まめな配信調整が必要とされます。
YouTube広告と相性が良い業種・業態
様々なWeb広告との違いをご紹介してきました。
「YouTube広告と相性が良い業種・業態はなんなのか?自社は向いているのか?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで、特にYouTube広告と相性が良い業種をご紹介します。
<おすすめ業種その1> 自動車
2015年にデンマークのアドフォーム社が実施した調査(※1)において、「趣味・関心」のカテゴリーが最も CTR(※2)が高いことがわかりました。
自動車が好き(趣味)で関連したYouTube動画を見ている中で広告が流れるため、CTRが高いのも頷けますよね。
特に自動車は「個人の趣味」という位置づけにもあり、各国の自動車メーカーはYouTube広告を活用してブランディングを進めています。
※1 引用元:DIGITAL ADVERTISING BENCHMARK REPORT
※2 CTR=“クリック率”のこと。クリック数/表示回数 で算出する。
<おすすめ業種その2> 住宅
人生で1、2を争う高額な出費になるため、慎重に検討する中でユーザーはYouTubeにたどり着くことも。
興味があって住宅系の動画を見ているユーザーに対して住宅関連のYouTube広告を流せるため、「顕在層=住宅購入検討層」へのアプローチに繋がります。
自動車・住宅どちらの業種にも共通して言えることは、購入単価の高い商材だということです。
YouTube広告の目的はあくまでも「認知拡大(ブランディング)」であり、効果に「即効性」を求める場合はミスマッチになります。
そのためある程度広告費を用意できて、かつ広告を実施する目的が潜在層に向けたブランディングであれば、YouTube広告の導入をおすすめします!
まとめ:Youtube広告はサービスの認知拡大やブランディングに有効
YouTube広告はできることが多く、業種・業界によっては非常に有効な広告です。
基本的には「認知拡大」を目的としているため、自社の商品やサービスの認知を広げたいときに有効です。
訴求したい分野のYouTube動画を見ているユーザーへ広告表示が可能なので顕在層へのアプローチにも繋がります 。
ここまででYouTube広告の特長やできることを理解でき、自社のビジネスに活用するイメージを持って頂けたら幸いです。
そして実際にYouTube広告を導入するためには「動画制作」が必要になります。
・どんな動画を作ると効果的なのか
・動画制作の知見がないため外注したい
・最初は外注してノウハウを貯めたい
…などとお考えでしたら、弊社でも動画の制作からWebページの作成、YouTube広告運用代行まで行っています。お気軽にご相談ください。
▼YouTube広告の運用に関するご相談はこちらから