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こんにちは。株式会社あけぼの印刷社、Twitter運用担当です。
当社では今年10月にTwitterの企業公式アカウントを開設して、約1ヶ月で800超の皆様にフォローを頂きました。フォローしてくださった皆様、本当にありがとうございます!
フォロワーが700名を超えたタイミングで以下のような投稿をしたところ、「いいね」「コメント」「リツイート」などの反響を多数いただき、企業公式アカウントの運用ノウハウに需要があることが分かりました。
そのため1ヶ月間のアカウント運用を通して何を行ったのか、何を意識したのかを記事としてまとめることにしました。
実際には、私よりも遥かに早いペースでフォロワーを増やされている方もいらっしゃいますし、本格的にTwitterを活用されている企業の運用担当者の方にとっては当たり前の内容かもしれません(あまり期待されてしまうと、残念な感じなってしまう可能性大です)。
それでも、
・企業公式アカウントの担当者になったけれど、何をしたら良いかわからない
・アカウントのフォロワーを増やすためにやるべきこと・意識することを知りたい
といった悩みをお持ちの方にお役立ちする内容にしたいと思います。
必要と感じる箇所の拾い読みでも構いませんので、ぜひ最後までご覧いただけますと幸いです。
企業公式Twitter運用で意識した7つのこと
1. プロフィール欄の文章を練りに練る
アカウント開設時に最も時間を掛けたのが、プロフィール欄の推敲です。なぜこの説明書きに力を入れたのかというと、ツイートを見て興味を持ち「このアカウントをフォローしようかな」と思って頂いた方の多くが、アカウントをフォローする前にプロフィール欄を確認すると思ったからです。そのため、企業としての信頼感・安心感をアピールする必要があります。
当社がきちんとした企業であることを示すため、会社のロゴと工場外観の写真を掲載し、自社が何の会社なのか、どのような強み持つ企業なのかを端的にまとめました。
文字ばかりの文章、漢字の羅列では堅苦しい印象を与えてしまうため、適度に絵文字を使い、漢字とひらがな・カタカナのバランスにも配慮しています。
また、このアカウントがどのような情報を発信するのかを記載することでフォローするメリットを訴求。プロフィール欄に記載できる文字数は160文字と決まっているため、ツイートの固定機能を使い、初めてのツイートを常に表示するといった工夫をしました。
2. 平日1日3回以上投稿する
投稿しないことには自社のアカウントの存在を知ってもらえないため、定期的にツイートを行う必要があります。頻度が多すぎても、フォロワーの方のタイムラインを荒らしてしまう可能性があるため、一日に3~5回くらいを目安に投稿するようにしていました。
またテキストだけの投稿よりも、写真や動画付きの方が「いいね」や「リツイート」などのエンゲージメントを獲得しやすいことが分かりましたので、基本は写真をセットにしてツイートをするようにしています。
さらに無機質な内容にならないよう、プロフィール欄と同様に絵文字を使い、運用担当者としての私の気持ちを入れて「中の人」感を出すよう、心がけました。何事も限度があると思っておりますので、絵文字の使いすぎやキャラクターの主張しすぎには気を付けています。
3. 積極的に「いいね」や「フォロー」を行う
投稿頻度と同じくらい重要と考えているのが「いいね」や「フォロー」などのアクションです。こちらから働きかけない限りアカウントの存在を知ってもらうことは不可能なので、同業他社(印刷会社や、シール制作・ホームページ制作を行っている会社)や、地元の企業・団体など、少しでも共通項があるアカウントを積極的にフォローしました。
#企業公式相互フォローなど特定のハッシュタグをつけてツイートをしているアカウントの投稿を「いいね」してフォローするのがオススメです。また自社の投稿に対して「いいね」「リツイート」「コメント」などをしてくれたアカウントに対してフォローを行うと、フォロー返し(フォローバック)してくれる可能性が高いようです。肌感覚ですが、通常のフォローバック率が10~20%程度に対し、その2倍以上の割合でフォローを返してくれている気がします。
おそらく企業としてのブランディングなのか、他のアカウントをフォローせずにフォロワーを増やそうとしている企業アカウントをたまに見かけますが、相当難易度が高いと思われます。見栄えは気にせず、まずは自発的にフォローするところから始めてみてはいかがでしょうか。
4. ハッシュタグを効果的に使う
今回短期間でフォロワーを増やせた要因として、大きな比重を占めていると考えているのが、このハッシュタグの活用です。具体的には、
- #企業公式相互フォロー
- #企業公式が毎朝地元の天気を言い合う
- #企業公式秋のフォロー祭り
- #企業公式冬のフォロー祭り
- #企業公式がお疲れ様を言い合う
上記のハッシュタグを付けて投稿するようにしていました。
Instagramの利用者増加に伴う変化なのか、ハッシュタグによる情報の整理や検索が広く普及しているようです。上記のタグを付けた投稿への「いいね」「フォロー」を習慣化しているアカウントも少なくないため、エンゲージメントを獲得したい場合はこうしたハッシュタグを利用すると良いでしょう。
特に、フォロワーを獲得したい・自社の投稿を拡散したいという共通の目的を持っている企業公式アカウントのコミュニティにおいては、ある種の仲間意識のようなものがあるため、反応が非常に良いように感じます。
5. 企業PRの投稿は多くて1日1回
現在、当社のTwitterアカウントのフォロワーの多くが法人アカウントのため、自社のPRをするような投稿は控えています。投稿するにしても、少々遊び心のある内容になるよう意識しています。
ただし、これはあくまで法人向けのサービスを提供しているBtoB企業のアカウントに限ってのことで、対消費者向けのサービスを提供している場合は商品やキャンペーンの情報を多く発信しても問題ないと思われます。
2019年5月~6月にかけてアライドアーキテクツ株式会社が実施した意識調査によれば、企業公式アカウントに求める一番の役割として、「サービスや商品の新情報やセール情報」が過半数を占めており、フォロワーによって期待するものが異なると考えられます。
また対企業向けであっても、新鮮味のある情報、ためになる・面白い情報であれば、迷惑に思われる可能性は低いので、宣伝色の強いツイートを高い頻度で投稿しない限りは問題ないのではないでしょうか。
6. 自社ブランディングを意識する
日々投稿をするにあたり、企業としてのブランディングを意識しました。印刷工場というと、古くて少々汚れたイメージを抱かれているかと思いますが、数年前にリニューアルした紺色のスタイリッシュな外装を写真付きで投稿することでイメージアップをはかりました。
その投稿も「#企業公式が毎朝地元の天気を言い合う」のハッシュタグを付けて繰り返し行うことで、毎朝タイムラインに流れてくる紺色の工場=あけぼの印刷社=水戸の印刷会社という認知を広げる狙いがあります。実際にそのように覚えてくださる方がどれだけいるかは定かではありませんが、継続することによって定着していくものだと信じています。
加えて地元企業においては、創業70年以上の老舗印刷会社というイメージを持たれているのではないかという懸念から、名刺やシール、キャラクターなど、「実はこれもできます」という制作物を事例として紹介しました。
7. 地域のスポーツチームや飲食店を応援する
あけぼの印刷社は、地元のプロサッカークラブ「水戸ホーリーホック」のサポート企業です。ミニのぼりやポスターなどを頂きますが、それらをオフィスに掲示して投稿したところ、サポーターの方々から多くの「いいね」「リツイート」を頂きました。
地域密着の印刷会社というブランドを定着させたい私としては、何気ない投稿が思いがけず認知に繋がったので、非常に嬉しかったです。もし企業としてサポーター・スポンサーであることを公にしているチームがあれば、こうした投稿をすることで、それによる効果を表示回数(インプレッション)やプロフィールへのアクセス(エンゲージメント)といった数字で表すことができるようになります。また投稿を当該チームの公式アカウントに気付いてもらうため、投稿時には@でメンションすると良いでしょう。
ただし企業の方針として、特定のスポーツチームを応援することを良しとしない会社もあるかと思いますので、その点は責任者の方と相談のうえ投稿してください。
またランチの際に飲食店に行った際には、店名とメニューにハッシュタグや@を付けて投稿するようにしています。地元のグルメスポットを純粋に知って頂きたいという気持ちと、飲食店を探している地元企業のビジネスパーソンにこのアカウントの存在を認知してもらいたいという狙いがあります。
企業公式アカウント活用の3つのポイント
私が1ヶ月間を通して意識したことは以上の通りですが、公式アカウントを運用する際の心構えを最後に3つご紹介します。
1. Twitter運用は他企業との団体戦と心得る
ツイートを拡散させて多くの方に見ていただくためには、フォロワーの方々の協力が必要不可欠です。いくら面白いツイートを投稿しても、それを「いいね」「リツイート」してくださる方がいなければ、他の投稿に埋もれていくだけです。
Twitter上で反響を得るためには、投稿自体の内容・品質を良くするのはもちろんのこと、フォロワーの方々との関係性も重要だといえます。
自社の投稿に毎回「いいね」やコメントをしてくれるアカウントに対して、人は親近感を持ち、お礼をしたいという気持ちになるものです(心理学でいう返報性の法則)。
したがって「自社のアカウントだけフォロワーが増えればいいや」ではなく、「一緒にフォロワーを増やしていきましょう」という奉仕・共栄の気持ちで、他の公式企業アカウントに対して自主的にアクションすると良いでしょう。
頂いたコメントには丁寧に返信し、機会を見て他のアカウントとコミュニケーションを取る。そうすることでお互いのフォロワーに各々のアカウントの認知拡大に繋がります。
先にお伝えした通り、企業公式アカウントのコミュニティには仲間意識のようなものが存在します。共通の目的に向けて動くチームメンバーだと思って運用に臨んでみてはいかがでしょうか。
2. 月に1度は数字で振り返る
日々の投稿を「何となく」で行っている方も多いかと思います。私も1週間の投稿をまとめて考えるのではなく、その場その場で投稿内容を作ってツイートしています。
TwitterをはじめとするSNSの強みであるリアルタイム性を活かすため、この発信スタイルを変えるつもりは今のところないのですが、習慣的に投稿し続けていると、インプレッションやエンゲージメントに繋がらない投稿を考えなく生み出しがちです。
せっかく貴重な数分を使って投稿を作成するのであれば、より多くの反響が欲しいというのが人間の性。そのため定期的に過去のツイートの反響を分析し、どのような投稿をすれば「いいね」「リツイート」を頂けるのかを数字で振り返るようにしています(といっても今回が初めてなのですが…笑)。
ツイートの分析手順ー①ツイートデータに分析用のタグを付ける
Twitterの【アナリティクス】から、過去の投稿データを「by tweet」でダウンロードし、Googleスプレッドシート(Excelでも良いです)で開き、ツイートごとに分析のための任意のタグを付けます。
私は、どのような内容で投稿すれば良いのか知りたかったので「カテゴリ」というタグと、天気の投稿をしたときに天候とエンゲージメント率の関係を知りたかったので「天気」というタグ。さらに昼食に食べたランチの品目によって反応が異なるのか検証するため「ランチ」というタグを付けてみました。
ツイートの分析手順ー②タグごとに数字をまとめる
タグを付けたら、タグごとに投稿数やインプレッション、エンゲージメントを整理し、エンゲージメント率(エンゲージメント数 / インプレッション数)、平均インプレッション数(インプレッション数 / 投稿数)、平均エンゲージメント数を算出します。
エンゲージメント率により、「いいね」「リツイート」などの反響に繋がりやすい投稿が明らかになり、平均インプレッション・平均エンゲージメントにより、投稿時に期待値の高いカテゴリが分かります。
ツイートの分析手順ー③グラフ化する
表でまとめても直感的に違いが分かりにくいため、グラフにしてみましょう。
棒グラフで表した結果、終業後に投稿していた「お疲れ様」の投稿がエンゲージメント率が高く、毎週金曜日と決めて投稿していた「ラジオ(あけぼの道草ラジオ)」の割合が低いことが明らかになりました。また、平均インプレッションと平均エンゲージメントの伸びには比例関係のようなものがある傾向が見えますが、「応援(水戸ホーリーホックを応援する投稿)」や「自己紹介」は、インプレッションはされるものの、エンゲージメントには寄与しにくいということが分かりました。
インプレッション・エンゲージメントともに高かったのは、本記事冒頭に掲載した「フォロワー○○名達成」という主旨の投稿でした。「100名」「1000名」など区切りの良いタイミングで写真付きのツイートをしてみてはいかがでしょうか。
同様に「天気」「ランチ」のタグで分析した結果が以下の通りです。
面白いことに、天気が良い時の写真を投稿するほうがエンゲージメント率が高いことが分かりました。ランチは、投稿する品目による違いはそれほど無いようです。「定食」のみ、エンゲージメント率が高いのは、よく行く定食屋(八幡太郎さん)が毎回反応をしてくださっているからでした。
他にも、「ハッシュタグの有無」「写真の有無」「商品の品目」など、分析の切り口は様々考えられます。この分析方法は一例ですが、ぜひ皆さんも投稿の振り返りしてみてください。
3. 臆せず新しいことに挑戦してみる
企業公式としてアカウントを運用する以上、炎上や企業ブランドの毀損など、リスクは少なからずあるでしょう。しかし当たり障りのない投稿ばかりしていても、それでフォロワーが増え、ツイートが拡散されることはありません(限界があります)。
そのため、①絶対にやってはいけないルールを決め、②ルールを遵守した上で新しい投稿にチャレンジする、という2点を心がけています。
当社は印刷会社なので、チラシや制作物など公になるまで開示してはいけない情報(キャンペーン・イベントなど)があるのです。そのためお客様の印刷物は決して映らないよう配慮し、写真を投稿する際には映り込みのチェックを徹底しています。その他、誰かが傷つくような投稿・公序良俗に反する投稿はしない、判断に困ったら上長に確認する、などのルールを設けており、その決まりの中で自由に運用させていだだいています。
また新しい投稿にチャレンジ、に関してですが、0から新しいことを生み出すのは非常に大変なので、企業公式Twitterの諸先輩方が行っている投稿を切り口や訴求内容を変えて行っています。模倣にはなりますが、完全なコピーではなくエッセンスだけ真似をするという形です。それにより炎上のリスクを避け、ある程度フォロワーさんの反応を予想して動くことができます。
最後にーTwitter運用担当者をもっと評価してほしい
このような長い記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本当は4,000文字ほどに収めようと思っていたのですが、思いのほか筆が進んでしまい倍の文量になってしまいました。
1ヶ月間、企業公式アカウントを運用してみて、非常に大変な役割だと感じました。
常に投稿のネタを探し、業務の合間に文章を考え投稿し、フォロワー数や反響を気にする。気が休まる暇がありません。その割に会社からの評価はそれほどでもなく、ともすると「仕事中遊んでいる人」というレッテルを貼られてしまう可能性もあります。
しかし、投稿のインプレッションやプロフィールへのアクセス数を広告費換算すると、それなりの価値を生んでいるとも言えます。
プロフィールへのアクセスを広告で獲得しようとした場合、(Facebook広告の場合になりますが)1エンゲージメントあたり20~40円と想定すると、アクセスが3,000、平均単価30円、3,000×30 =90,000円の価値です。
計算してみたものの、そのように単純な話でも無いかもしれませんが、Twitter運用担当者はもっと評価されるべきだと思っています。運用を継続することで、少しでも担当者の評価向上に繋がれば良いなと思う今日この頃です。
本記事が少しでも皆さんの企業公式アカウント運用のお役に立てましたら幸いです。また知見が溜まったタイミングで続編を執筆したいと思います。
一つでも学びがあったと思ってくださったら、ぜひ記事をTwitterでシェアしていただけると嬉しいです。引き続き、あけぼの印刷社のTwitterアカウントをよろしくお願いいたします。
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